2025年1月10日金曜日

(個人的に)2024年のアニメを振り返る

 こんにちは。会員のeruです。今更ながら2024年、個人的に好きだった作品いくつかについて書こうかと思い立ち、書いております。勢いだけで書いているため、稚拙な文章失礼します。個人的に好きだった作品、です。ジャンルが偏ってるとかいうレベルではなく偏りまくってます。

※あくまで一会員の感想です。会の総意ではないことにご留意ください。




1. トラペジウム

 5月10日に公開されたCloverWorks制作のアニメ映画。個人的に去年一番刺さったのがこの作品でした。世間的にはそうヒットしたというわけでもないですが、一定数の狂信者熱狂的なファンがおり、今でも賑わいを見せている、そんな作品です。私も気が付けばそんな界隈に取り込まれ、日々トラペジウムを摂取したいという素直な気持ちと向き合っております……。

 そんな話は置いておいて、この作品について軽く説明します。ざっくり言えば、アイドルに憧れる高校生が試行錯誤する、という非常に王道に見えるあらすじなのですが、決して普通のアイドルものではありません。その要因の大部分は、主人公の東ゆうという女。初見では狂気的に見え、2周目にはひたむきにも見え、色々な面のある可愛い女の子。この等身大の高校一年生が、この作品の大きな魅力なのです。
 そしてまた、この作品のもう一つの魅力として、説明しすぎない、ということが挙げられます。説明は必要最小限になっており、主人公の名前や目的すらも、初めは全く明かされません。つまり、いわゆる"説明パート"がほぼ存在しないのです。これにより、周回したくなる、また周回したときのストレスがない作品に仕上がっています(代わりに尖っているという評価を受けてしまいましたが……)。

 他にも、シンプルなクオリティの高さなど、様々な魅力のある作品です!今だと観る手段も限られてはいますが、ぜひ!ぜひご覧ください!





2. 響け!ユーフォニアム3

 春アニメ。京都アニメーション制作の言わずと知れた人気シリーズ「響け!ユーフォニアム」最終楽章。この作品、実は原作改変でかなり賛否両論巻き起こった作品でもあります。作品の結構重要な部分が原作と異なっており、ストーリーについても割と変更されています。
 原作勢(だが、アニメ版の方が好きな立場)として言うならば、私はこの改変は、基本的にはアリ、だと思っています。ストーリーの変更については、この作品の根幹にあるテーマを考えると、むしろこっちの方が良いのではないかとすら思っています。キャラクターの若干の性格については、うーん、となる子もいますが、概ねみんな原作よりも性格が良くなっており、まあいいのでは、と思う次第です。
 また、シリーズ過去作に比べて、演奏シーンが少ないのも、残念に思ってしまう部分ではあります。しかし、これについても、代わりに回想シーンなどが入っており、ストーリーとしてはこっちの方がより感動的になるのは間違いないんですよね。確かに演奏シーンは見たいのですが。だから、総集編を作ってください。そっちでは演奏シーンも見せてください。ということを言い続けております。





3. 夜のクラゲは泳げない

 私は短くまとまった作品が好きなのです。前述のトラペジウムも映画一本で完結している。このような作品を高く評価する傾向にあるのです。そのため、同様に好きなのが、オリジナルアニメなんですね。
 この作品は、春に放映された、動画工房制作のオリジナルアニメです。アーティストグループを結成した少女4人の青春群像劇なのですが、上の2作品と比べると非常にオーソドックスというか、クセがないので、おすすめしやすい作品ですね。

 この作品は個人的に構成が完璧だと思っていて、尻上がりに盛り上がっていき、中だるみもしない。似たような作品は正直いくらでもあるのですが、なんか中盤イマイチだったり、逆に中盤がピークだったり、そういうことが多いので、そうならない本作の素晴らしきといったところです。





4. ガールズバンドクライ

 世は大ガールズバンド時代。春アニメ。結構流行ったよねこれ。曲もいいしキャラクターも可愛いしキャラも立ってて非常によい。のですが、前述した、『中盤がピーク』な作品になってしまってると思うんですよね……。中盤までなら圧倒的神作だと思っていたのですが……。この作品を感動系と言ってよいのかはわかりませんが、私は感動系だとしても、適度にコメディ要素を入れてほしいと思っているのですが、この作品にはそれがあったと思っています。
 10話まではそんな感じでよかったのですが、そこからの3話が正直蛇足だと思います(全く必要ないわけではないですが、ちょっと盛り上がりに欠ける)。面白いは面白いんだけど、あれ、ジャンル変わった?って思ってしまいました。とはいえ、総合的に見れば非常に完成度の高い作品です。CGアニメだからといって忌避しないで観てほしい作品です。





5. ATRI -My Dear Moments-

 夏アニメ。泣きゲー原作のアニメは非常に好きです。Keyとかね。というわけで当然これもハマりまして。ああいう最終回はじーんときちゃうなあ、と。今後もたびたび思い出すことになるんだろうな、とそんな感じの最終回でした。
 全体的にも、とにかくストーリーがいい。色々考えさせられるストーリーで、感動一辺倒というわけでもなく。さっきから言っている、中盤についても、終盤とはやや別の方向に思いっきり尖らせたストーリーで、終盤とは別にもう一つ盛り上がりの山がある。すごい好き。

2024年11月28日木曜日

京大アニ研 ブログ復活

 お久しぶりです、京都大学アニメ研究会です!

久しぶりにこのブログを復活させようと思います。そのシーズンにあっているアニメの話や過去の会員一押しのアニメの紹介、アニメに限らずとも漫画の話などもしていければいいなと思っています。これからまた、頑張って更新していこうと思っていますのでどうぞよろしくお願いいたします。

2021年1月6日水曜日

2020年秋アニメ振り返り(H)

あけましておめでとうございます。京大アニメ研究会です。
秋クールはコロナの影響でずれ込んだ作品も多く注目のオリジナルアニメから人気作の続編までかなりの豊作でしたが、皆さんはどんなアニメを見ていましたか?
そんな今期を自分の見た作品に限られてしまいますが、振り返っていきたいと思います。

感想は基本的に中の人の個人的なもので、会員の総意とは限らないことをご了承下さい。


・魔王城でおやすみ

魔王城にとらわれた姫が安眠を求めて試行錯誤を繰り返していく作品。
今期の癒し枠にして個人的には一番笑ったであろう作品でした。
安眠のためなら死すら恐れない姫のぶっ飛んだ発想とそんな姫に振り回され続ける魔族たちの反応は見ていて飽きませんでした。早見沙織のナレーションも雰囲気に合っていてよかったと思います。中毒性のあるOPも必聴です。



・憂国のモリアーティ

殺人コンサルタントである主人公たちが織り成すクライム・サスペンス。
個人的には今期ノーマークだったものの2話辺りから毎週楽しみにしていました。
探偵が主人公の作品は数多くあれど犯罪者が主人公の作品は少ないため、殺人をうまく自殺、不慮の事故に見せかけていく主人公たちの手口は見ていて新鮮で圧巻でした。
尺の都合もありますがモリアーティとホームズとの戦いが少なかったのは残念でしたが、無駄なくまとまっていてよかったと思います。



・呪術廻戦

呪霊を祓う呪術師の戦いを描いたダークファンタジーバトル作品。
ストーリー、作画ともに申し分なく素晴らしい作品だったと思います。13話におけるOPの些細な変化など作り込みもすごいなと思いました。
1月からの2クール目も楽しみです。



・魔女の旅々

魔女になった少女が様々な国を旅をする作品。アニ研での視聴率が最も高い作品でした。
イレイナの性格はかなりひん曲がっていてアニ研内でも色んな意見がありましたが、そこもまた本作の特徴ではないかなと思います。何かと他作品と比較されがちな今作ではありますが、主人公や周りのキャラの癖や作品全体の雰囲気、師匠たちとの絡みなどでちゃんと差別化は出来ているのではないかと思っています。
最終回の終わり方的に2期も期待してもいいのでしょうか?



・戦翼のシグルドリーヴァ

戦闘機に乗る少女たちの戦いを描いたオリジナルアニメ作品。前日譚となるライトノベルも発売されています。
ストーリ―としては人類の敵であるピラーを戦闘機に乗り主人公たちが倒していくことがメインなわけですが、主人公たちの掘り下げ方に偏りがあったりフラグ回収が異常に早かったりと微妙だったなと思いました。オーディンの小物感もあって締まらない感じでした。キャラクターは非常に可愛いのが救いでしょうか。(戦闘機に羽が生えるのはどうなんですか?)



・トニカクカワイイ

運命的な出会いをした二人が結婚していちゃいちゃするだけの作品。
原作を読んでいるからかもしれませんが、畑健次郎先生の特徴であるデフォルメ絵がほとんど出てこないので原作にあったようなネタとガチのメリハリがなく魅力が100%表現しきれてないように感じました。また色使いものっぺりしている感じがして微妙かなと思いました。
アニメ化以降の話の方がイチャイチャしているので興味のある方は是非。



・無能なナナ

能力者たちが集められている島での出来事を描いた作品。
第一話から衝撃の展開かつネタバレができない内容なので見ていない方は是非見てください。その後の展開も二点三転していく先が読めないものになっていて続きが気になるような作品でした。終わり方もよく(?)続きが気になる感じでした。刺さる人にはかなり刺さる作品となっていると思いました。



・神達に拾われた男

ブラック企業に勤める会社人が子供となり異世界転生して暮らしていく作品。
主人公は一般人感を出してますがスライムの性能がなんでもありだったり魔法の取得も早いとなろうっぽい感じ。話としては盛り上がりに欠ける感じがし、4話の感動話を除けば単調に進んだ感じです。タイトル要素も少なめだった印象です(スライムの印象しかない)。
しかし、ブラック企業に勤めていただけあって後半のお店を開店、経営する話では従業員への配慮がかなりなされていた点は評価できあんなお店で働きたいと思いました。



・くまクマ熊ベアー

VR世界に転移してしまった少女が熊装備をを頼りにある意味無双していく作品。
途中から最終話前にかけてはなろう系主人公みたいなチート性能とよくわからない人望で活躍してましたが、自分がやりたいようにする、お店経営は他人任せという点では上の「神達に拾われた男」とは対極的であり好みは分かれそうです。最終話はそれまでの話とは違う展開でしたが元はと言えばそこがスタートだったのでまあ納得のおち。小さい子供たちがよく出てくるのでそういった人にも刺さりそうでした。
結局1話とそれ以降の話の時系列が理解できてません。



・神様になった日

全能の神を名乗る佐藤ひなが「30日後に世界が終わる」と予言するところから始まる作品。
今回も後半にかけて急に話が進んでいった印象が強いです。前半部分の日常回を見ながら覚悟をしていた人もいるとは思いますが突然の展開すぎてびっくりしました。そこまでするならもうちょっと削れた麻雀回もあったと思います。終盤も主人公がただ我が儘な感じがして観ていて共感できませんでした。
ハッカーの鈴木少年の扱いも、突然意味ありげに出てきたと思ったらすぐには出番がなく、出番が回ってきたと思ったらよくわからない手袋を使い活躍してるともうちょっと説明が欲しかったです。
全体を通してツッコみたいことが出てきますが、一番は無限立直東西南北ドラ隣ドラ隣途中まで通貫二色同順が必要だったのかということです。
(OP、EDともによかったのでぜひ聞いてください)



・安達としまむら

この距離感がなんとも言えない、見ていて尊い百合作品。
安達としまむらだけでなく日野と永藤の関係もいいなと思いました。
作画面は少し崩れそうなところもありましたが、十分尊い作品だと思います。
宇宙人は何のためにいるのか分かりませんでした。



・おちこぼれフルーツタルト

売れないアイドルたちの日常を描いた作品。
全体的に胸の大小や小便の話が嫌に目立つ感じがしました。1,2 回ならまだしも何回も最終回まで出てくるのでそこまでする必要があるのかなあと思います。それ以外はきららっぽい日常系で見やすいかなと思います。
ブロッコリーの曲は中毒性がありました。



・キングスレイド 意志を継ぐものたち 

ゲーム原作のアニメ。
主人公たちが魔王を倒すために聖剣の封印を解く話と魔族ではあるものの人間側につくブラックエッジたちの活躍を描いていく話の二つが展開されていってますが、正直どっちか一本に絞ってもよかったかなと思います。二つとも追いかけてブラックエッジたちの出番は少なく深堀できていないし、主人公たちも(1クール時点で)中途半端なところで終わってしまったなあといった印象があります。元々がゲームなだけあってそこでのストーリーをそのまま使ったのかもしれませんが、アニメオリジナルに作り変えてもよかったのかなと思いました(原作未プレイなので違いがあるのかさえ分かりませんが...)



・まえせつ!

お笑い芸人を目指す少女たちを描いた捧腹絶倒必至の作品。アニ研内ではかなり話題にあがった作品です。
主人公たちの芸は最初の方は面白くなかったですが、最後は少しは面白くなったように感じます。お笑い芸を楽しむというよりは少女たちの成長を楽しむアニメと考えれば楽しめるとは思います。



・100万の命の上に俺は立っている

生き抜くためにゲームマスターから出されるクエストをクリアしていく作品。1話の訳あり版の再現率はすごかったです。
全体的に盛り上がりに欠けるといいますか、いまいち魅力的に感じない展開だったように思います。主人公の性格もくせが強く、特に12話でのクエスト時に飛ばされる世界の真実を知ってからもかなり捻くれているので、そこが受けつけない人も一定数いそうな印象です。
結局タイトルの意味が分からなかったです。(2期なんてないですよね?)



・ご注文はうさぎですか?BLOOM

ご注文はうさぎですか?の3期目。
心がぴょんぴょんしますね。
すでにごちうさ難民です。4期待ってます。



・ラブライブ!虹ヶ咲スクールアイドル同好会

μ's、Aquaに続く三つ目のスクールアイドルの作品。
今回はこれまでの2作とは設定がかなり異なり、特に9人のソロスクールアイドルであるところが特徴でしょうか。個人に焦点が当たり最後に挿入歌が入るという展開ですが、どの話もキャラの魅力がよく伝わってきてよかったです。
作画もさすがの一言。
これまでのラブライブ!シリーズがいまいちだった人にも一度はおすすめしたいです。



・魔法科高校の劣等生 来訪者編

映画ではすでに登場しているアンジェリーナも時系列的には今回が初登場となる今作でしたが、相変わらずのクオリティで安心して見ていられました。お兄様が強すぎた...
11話Bパート以降の原作者原案のオリジナルストーリ―もかなり面白く良かったです。
今年の放送が決まっている「魔法科高校の優等生」にも期待です。



・ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN

ストライクウィッチーズの3期目。今回はサブタイトルにもあるようにベルリンの奪還が目標。
3期目なだけあって安心のストーリー作画。
今作はこれまでよりもハラハラドキドキするような展開が多く大変良かったです。最終話も鳥肌が立つ演出で3期での流れはこのためにあったのかなという感じでした。
1月からのワールドウィッチーズも楽しみです。



・ひぐらしのなく頃に 業

ひぐらしのアニメ3期目(OVA除く)の完全新作アニメ。
最初はリメイク作品だと思わせての完全新作は多くの人が驚いたのではないでしょうか。
作画は旧作とはかなり変わっており、好みが分かれそうな感じがします。
ストーリーとしてはなにがなんだかわかりません。これまでの2作品で綺麗に終わったと思ったのにどうして?という感じです。そこは考察のし甲斐があるといったところですが。
2クール目での展開に期待です。(というか先が見えない)



・ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ

改めて書くほどでもないとは思いますが、主人公のベル・クラネルの成長を描いた作品。
今回は人語をしゃべるモンスターをめぐるお話で全体的に暗くヘスティアファミリア全体の話というよりかはベル個人の葛藤がメインになるものでしたが、そこもしっかりと描かれておりこれまでよりも面白かったと感じる人が多かったように感じます。



・半妖の夜叉姫

犬夜叉の主要メンバーの子供たちの物語。
良くも悪くも土曜の夕方アニメクオリティかなと思いました。話としては犬夜叉を見ていなくても十分見れるもので子供でも見やすい作品だと思います。今作の主人公たちの設定的に犬夜叉や殺生丸が絡んでくるのはわかってはいるのですが、どう絡んでくるのか楽しみです。



・レヱル・ロマネスク

「まいてつ」を原作としたアニメで全国の鉄道を元ネタとした可愛い女の子たちがたくさん登場するショートアニメ。全体的に低身長なキャラと豪華な声優陣。「まいてつ」を知らなくても気軽に見れる作品なので暇なときにでもどうぞ。



・One Room サードシーズン

One Roomの三期目。キャラクター原案と務めるカントク先生の絵が声優さんの声と合わせて動くのは最高の一言。一人称視点で展開される今作ですが主人公が何も発さずヒロインのセリフでしかストーリーが進まないため合うか合わないかは人それぞれかなと思います。ストーリー自体は悶絶するほど胸キュンなのでぜひともおすすめしたいです。合わせて一期、二期を見ると十二分に楽しめると思います。



秋アニメを振り返ってきたわけですが、個人的には豊作である反面見たい作品が多すぎて毎週かつかつで見ていた感じでした。それでもバトルものと日常ものがどちらも十分揃っていてバランスが良かったと思います。冬アニメもなろう原作の作品が数多くアニメ化されたり人気作の続編もあったりとかなり期待が持てるので楽しみです。


2020年10月13日火曜日

2020年夏アニメ振り返り(H)

こんにちは、こんばんは、おはようございます、京大アニメ研究会です。今回から一回生の私もブログを書いていくことになりました。拙い文章かつ作品についての分析もないただの感想文ですが宜しくお願いします。 今回は自分が見ていた夏アニメの感想を書いていきたいと思います。開始直後はまあまあ見るかなと思っていたんですが、ふたを開けてみればあんまり見ていなかった気がします。秋こそは頑張ります。
今後は自分が書くときは題名に(H)とつけるつもりなので読むときの参考にしてください。

<自分が書く内容はすべて個人の感想です。それでも良ければ読んでください。>

1.デカダンス
今期のアニメでおすすめの作品、その一。デカダンスの住民たちと敵である”ガドル”との戦いを描いた作品。一話目の最後にはある意味驚きましたが、二話以降はどんどん面白くなっていった印象でした(本質に関わるので言及は控えます)。駆け足気味の展開もなく、最終回もよくあるものと言えばそれまでですがちゃんとまとまっていてよかったなあと思います。ここまで書いてきましたが内容的に合う人と合わない人がいるのも事実なので、まずは二話まで見てから見続けるかどうかを決めてほしいなと思います。今作ヒロイン、ナツメ役の楠木ともりさんは次に紹介する作品のヒロインの声も担当していました。


2.魔王学院の不適合者
今期のアニメでおすすめの作品、その二。2000年前の魔王が転生し魔王の血を引く魔王族を育成する魔王学院に入学するところから始まる、なろう原作作品。いわゆる俺TUEEE系に分類されるだろう作品ですが、この作品は俺最強系といったほうがいいかもしれません。ひたすら主人公が強すぎてすがすがしいくらいです。同じなろう作品で俺TUEEE系といえる「転スラ」でも主人公はかなりのチート具合をみせていましたが、本作はもうなんでもありといった印象です。こういう作品は好みが分かれるところではありますが、定期的に俺TUEEE系を摂取したい中の人にとっては好みであり原作も読んでみようかなと思いました。サーシャ派です。


3.放課後ていぼう日誌
567の影響で春クール途中から夏クールに移動した作品。高校から釣りを始めた主人公鶴木陽渚が釣りに魅了されていく作品。今期見たなかで唯一の癒し枠。一話完結もので毎話違った釣り方が紹介されており、特に釣った魚の調理シーンなどは基本的に朝一に見ていた中の人でも食べたいなと思いました。後半では陽渚の成長も描かれていましたが、基本的に日常枠として脳死で見ることができ、癒しを求めている人にはおすすめかもしれません。


4.彼女、お借りします
週刊少年マガジンにて連載中の作品でアニ研内でも読者が多い印象があります。主人公の木ノ下和也がレンタル彼女を利用したことから始まるラブコメ作品。主人公のクズっぷりから度々話題になったのですが、自分としては確かに考えがコロコロ変わる印象もありましたがそこまでかなと思いました。ティッシュのシーンのところはあんまり好きになれませんが。ヒロインたちも4人とも魅力的でしたが、更科るかの過去編がEDだけでまとめられていたのは尺の関係とは言え原作未読者としては雰囲気しか伝わらず感情移入しづらくなってるかなと思いました。2期の作成も決定しているので楽しみして待っていようかなと思います。


5.Lapis Re:LiGHTs
 歌唱活動や魔獣退治を行い人々からの憧れを集めている魔女を目指す少女たちを描いた作品。歌唱パートはCGを使って綺麗に描かれており、ラブライブなどが好きな方には合う作品かもしれません。最終回の怒涛の連続ライブは圧巻でした。楽曲もそれぞれのグループの特徴が出ていてよかったと思います。一つツッコむとしたら魔獣退治要素が後半になるまで薄すぎて魔女を目指す目的がふにゃふにゃになっていたところだと思います。戦闘系がメインではないのであっさりしていてもいいのかもしれませんが。メディアミックス作品となっており今後アプリも配信されるみたいなので興味がある人はやってみてはどうでしょうか。(中の人は余裕があればやってみようかなと思っています。)


6.ド級編隊エグゼロス
週刊少年ジャンプにて連載中の作品で人々のエロスの源”Hエネルギー”を吸い取る敵、キセイ蟲から地球を守るべく主人公たちがエグゼロスとなり闘う作品。最初の方は作画は良かったと思いますが、後半から怪しくなっていった印象ですね。エロめの作品なのでラッキースケベがあるのかなと思っていたら、ほとんどの部分で不自然な光が入るなど少しがっかりした感じでした。話のネタとしてはHエネルギーを溜めて戦うなど斬新で面白かった分作画が安定せずせっかくのエロさが逆にきつく感じてしまったのは残念だったなと思います。天空寺宙が好みです。


7.異常生物見聞録
主人公が貸し出している部屋に暮らすことになった異常生物たちとのドタバタ生活を描いた作品。こうは書きましたが実際何をやっていたのかあまりわかりませんでした。居住者同士のドタバタや新しい居住者を見つけに行くことが中心でしたが、予想外の展開もなく無難に終わっていったなと思います。建物はよじ登らないといけないんだなと思ったら普通に建物間を飛んで移動していたりと主人公の能力の設定もわかりづらかったと思います。面白かったところといえば最後の中国語で会話が繰り広げられるところでしょうか。会員でも見ている人は少数派だったと思います。


8.宇崎ちゃんと遊びたい
一人を好む主人公と彼をぼっち扱いし絡んでくるうざい後輩とのラブコメディ作品。この作品でまず話題になるのは宇崎ちゃんの性格とビジュアルではないでしょうか。うざいけれどもどこか憎めない宇崎ちゃんの性格と低身長のわりに大きな胸はどちらも万人受けするとは言いづらいかもしれません。中の人は好みに合わず途中で視聴をやめてしまったため作品内容にツッコむことはできません。


9.Re:ゼロから始める異世界生活
主人公ナツキ・スバルが「死に戻り」の能力を使い苦難を乗り越えようと奮闘する作品。分割2クールであり、夏クールでは事件が一つも解決せず謎が残ったままでの終わりとなりましたが、スバルの家族との感動的なエピソードがありつつ、リゼロお決まりの絶望的な展開など見ていて十分楽しめるものだったと思います。原作既読者としてはここからの展開が面白いのでぜひ2クール目も見てほしいなと思います。


以上、自分が2020年夏クーで見た作品の振り返りでした。こうしてみると全然見ていなかったなと思いますね。 今後は1、2か月ごとに自分が見た旧作アニメの振り返りをしていけたらなと思っています。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

2020年7月30日木曜日

2020年春アニメ振り返り

こんばんは、京大アニメ研究会です。
遅くなりましたが、今回は2020年春に放送されたアニメを視聴した会員の多かったものを中心に振り返っていきたいと思います。今クールはコロナ禍の影響で多くのアニメが放送延期を余儀なくされる受難のクールでしたが、それでも多くの良作に恵まれていたのではないかと思います。
なお、感想は基本的に中の人の個人的なもので、会員の総意とは限らないことをご了承下さい。

1.かくしごと

 自身が「漫画家」であることを主人公の父親が一人娘に隠そうとするギャグアニメです。「今期何か一つおすすめするアニメは?」と聞かれたら(滅多に聞かれることはありませんが)、中の人はこれを薦めると思います。おすすめしやすい理由として、「基本的にはギャグ漫画だが家族愛という普遍的なテーマをしっかりと描いている」ことと「原作ありで1クールで完結させている」ことがあります。作者の久米田康治は時事ネタとか風刺っぽいネタが得意な方なんですが、本作では風刺は割と薄めで(ないわけじゃないですが)万人におすすめしやすい作品だと思います。タイトルやキャラの名前の言葉遊びも魅力的です。以下ややネタバレにつき反転。正直バッドエンドも覚悟していたのですが(最終回Aパートのアイキャッチの絶望感は異常)、ハッピーエンドで終わって本当に良かった。OPが流れるタイミングも完璧で、思わず涙腺が緩みました。ネタバレここまで。

2.イエスタデイをうたって

 4人の男女の恋愛模様、人間関係を描いた青春群像劇。これについては率直に言って評価は分かれるところだと思います。終盤に関しては原作未読の中の人でも明らかに尺が足りないと感じました。中盤までの丁寧な心理描写とは打って変わって結論に向かって急いでいる感じがあり、あれよあれよという間に終わってしまった印象があります。「なんでハルはリクオのことが好きなんだっけ?」「なんでこいつらあんなにうじうじ悩んでたんだっけ?」と思ってしまいました。原作未読者の私見ですが、どうにも榀子の描写とハルの描写の釣り合いがとれていなかったように思います。しかしながら、良い意味でも悪い意味でもキャラクターたちに感情移入させられる空気感の作り方は非常に良かったです。また、主人公のリクオを演じられた小林親弘さんの内省的な演技も素晴らしかったと思います。


3.乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…

 タイトル通り、ゲームの中に転生してしまった主人公が国外追放か死かという破滅エンドを回避するため頑張る話です。「見ていて不快なキャラクターがいない」というのがヒットの一因かなぁと思います。本来キャラクターの好き嫌いと物語そのものに対する評価は別に下してしかるべきではないかと思いますが、主人公の正確や言動が不快だと、視聴自体がストレスになってしまうことも事実です。その点、本作は主人公のカタリナをはじめ、基本的に明るい善人ばかりで、見ていて気持ちの良い作品でした。物語上工夫が感じられたのは、終盤カタリナの前世が大きく絡んでくることです。異世界転生ものの多くは前世を切り捨ててしまっており、「転生」であることが物語上重要な意味を持つことは少ないと思いますが、本作は「前世」と「転生後」がきちんと地続きでつながっていることが示されており、感心しました。気になったのは、サブキャラたちはあくまで主人公を軸に集まっているため、サブキャラ同士の仲は決して良くないというか、疎遠な感じがしてしまいました。仕方ないことかも知れませんが、もう少し横のつながりがあったらなぁと感じました。1クールでよくまとまっていたと思いますが、2期も決まっているそうなので期待して待ちたいと思います。

4.かぐや様は告らせたい?〜天才たちの恋愛頭脳戦〜

 もはや中の人が付け加えるべきこともない気がしますが、天才の男女が互いに好きな相手に告白するよう仕向けようとする……という話だったはずです。原作既読勢ですが、やはりキャラが動いて声がつくとまた違った面白さがありますね。「今日あま」のエピソードなんかは画風が変わるわ謎挿入歌入るわでかなりパワーアップしてましたし。あと石上のエピソードのラストはかなり好きなので、あの演出を映像で見られたのは良かったですね。原作ストックは十二分にあるので、是非3期に来て欲しいところです。


5.八男って、それはないでしょう!

 貧乏貴族の八男に転生した主人公が成り上がっていく物語。なんでこんなに視聴者が多いんですか?貴族社会のしがらみとかめんどくささを描きたい作品なんだ、と気づくまでに時間がかかりました。そこを最初から意識してみればまた評価も変わったのかも知れませんが、どうもストーリーもバトルもキャラもいまいち魅力が感じられなかったです。作画も中盤崩れ気味でしたし。個人的にはピンク髪の食いしん坊の娘が一番好きだったのでもっと早く出てきて欲しかったですね。ただ、終盤に再登場する主人公の兄は杉田智和さんの怪演と顔芸が相まってかなり印象的でした。

6.波よ聞いてくれ

 ひょんなことからラジオパーソナリティになった主人公と、その周囲で起こる事件を描いていく作品。ラジオパートのノリにいまいちついて行けなかったのと、なまじリアリティーがある分細かい部分が気になってあまりのめり込めなかった部分はあります。しかし、主人公(の声優さん)のしゃべりの技術には素直にすごいな、となりますし、一つ一つのエピソードは非常に面白かったです。頭をからっぽにして笑いたいときに見るといいアニメかもしれません。また、最終話は実際の出来事(リンク先ネタバレ注意)とも絡めて主人公の成長を描き、完成度の高い一話になっていたと思います。麻藤さんがめちゃくちゃな印象しか無くてあんまり好きになれなかったのですが、最終話ではラジオに対する矜持が感じられてかっこよかったです。

7.グレイプニル

 異能バトル系アニメ。途中から普通にバトルが面白くなってきた分、謎のエロ要素がちょっと邪魔でした。エッチなシーン自体は別にあってもいいんですが、そこのパンチラ、いる?みたいな場面が多かった気がします。バトル自体は作画も良いですし、肉弾戦だけじゃなく力技で勝てない相手に知恵で勝つ話もあり、割と好みでした。ただ、終わり方は典型的な俺たたエンドなのが残念でした(原作が続いている以上仕方ないのですが)。

8.球詠

 きらら系タピオカ女子野球アニメ。PVの時点で作画が不安でしたが、まぁ作画に関しては擁護のしようがありません。画面に違和感を感じて一時停止したら両手とも左手だったときの衝撃は今でも忘れられません(しかも同じシーンが修正なしで翌週も流れた)。本作に関しては何故一週も放送延期しなかったのか逆に謎です。中の人があんまり野球に興味が無かったのと作画に気を取られてストーリーの方に意識を割けていなかったので今度先輩に原作を借りて読みたいと思います。

9.プリンセスコネクト!Re:Dive

 有名ソシャゲのアニメ化。ゲーム未プレイ勢ですが普通に楽しめました。未プレイ勢にとっては、言ってしまえば毎回30分かけて新キャラ紹介されてる感じなんですが、ギャグに極振りしてたのが上手くはたらいていたように思います。また演出とか雰囲気をわざと『このすば』に寄せて未プレイ勢にも入り込みやすくしたのかなーとか予想しました。本当のところは知りませんが。物語に関して言えば、根本的なところは何も解決してないし、伏線もほとんど回収されてないので2期をやって欲しいところではあります(まぁ運営的にはゲームやれって話なんでしょうが)。

10.プランダラ

 全話通してのピークは8話のラストシーンだったと思います。ジェイル中尉はかっこよかったんですがね……。2クールやったわりには普通に俺たたエンドだし、作画もヤバいし、ストーリーも過去に飛んだかと思えば特に何も成し遂げずに終わるし、相変わらずやたらエロは多いし……。ところどころ瞬間的に面白くなるシーンがないわけではないんですが、全体としては微妙でした。

11.その他

今期はやはり豊作だったのか、会員の視聴者が多いものに絞っても10本有りました。ここからは、視聴者の少なかったアニメ、個人的に取り上げておきたいアニメに触れておきたいと思います。

アルテ

 中世のフィレンツェで女主人公が画家になるために奮闘するアニメ。毎話毎話アルテの成長があって、そこは良かったんですが大きな印象を残すエピソードに欠けていたかな、と感じます。

神之塔 -Tower of God-

 前情報を一切知らずに見たこともあり、個人的には今期一番のダークホースでした。世界観の把握が結構大変なんですが、世界観自体も面白いし、ストーリーも先の読めない展開で飽きが来ないし、最終回でやっとヒロイン側の視点が明らかになる構成も良かったです。キャラデとか作画とかもめっちゃ好みだったので2期やって欲しいんですがどうなんですかね……。

社長、バトルの時間です!

 ソシャゲで割とよくある非常に薄いストーリーをそのままアニメにした感じで、作画が良い分なんだかもったいない作品でした。女性キャラは割と可愛かったんですが、魅力的だったかと言われるとうーん……。

とある科学の超電磁砲T

 ガチのマジで面白い。大覇星祭編は大好きなエピソードなのでアニメ化には感謝しかないですね。食蜂のヒロイン力が高すぎる

新サクラ大戦 the Animation

 一見さんお断りの気配を強く感じました。メインキャラっぽいのに全然焦点が当たらないキャラがいたり、どう見ても同一人物であることを隠す気の無いキャラを執拗に別キャラ扱いしたり、気になるところも多かったです。

継つぐもも

 実は1期見ないまま見てたんですが割と楽しめました。最初はお色気描写多めのバトルものという感じでそれもそれで良かったんですが(百合回とかすなおちゃん回とか)、終盤になるとバトル自体も熱くなり、まさか最終回でああ終わるとは……。3期があってほしいものです。

BNA ビー・エヌ・エー

 獣人系TRIGGER作品。ケモ系の作品増えましたね。最近は毎クール1本は必ずあるような気がします。獣人と人間という異なる種族の存在を軸に、差別とか生き方とかを絡めた話なんですが、ストーリーで魅せるには丁寧さが足りなかったし、熱さで攻めるには勢いが足りなかった、という印象です。決して駄作では無いんですが。

本好きの下克上 司書になるためには手段を選んでいられません

 よく考えたら2クール目全然本作ってなかった気がしますね。神官長(CV速水奨)が急に歌い出したのにはビビりましたね。話の作りは非常に丁寧で良かったと思います。3期も決まったようなので続きも見たいと思います。

LISTENERS リスナーズ

 中の人以外誰も見てないし、評判も決して良いとは言えないんですが終わってみると悪い作品ではなかったと思います。ややこしくてよくわからないストーリーと、ロボット同士がガチンコでバトルするというのが組み合わせとして悪かったように感じます。ただ、雰囲気は悪くなかったですし、音楽はとても良かったです。OPと毎週変わるEDはどれも名曲で、今でもプレイリストに入れてよく聞いてます。YouTubeで聞けるので曲だけでも是非聞いてみて下さい。音楽とかミュージシャンとかの小ネタが多いみたいなんでそこら辺が拾える人が見るともっと評価は上がるのかも知れません。

 春アニメを振り返ってきましたが、個人的には『放課後ていぼう日誌』が延期されたことで純粋な日常系がなくなってしまったのがとても残念でした。ストーリーがしっかりあるアニメもいいんですが、やはり箸休め的な心安まるアニメも欲しいところです。夏アニメも今のところ面白い作品が多いので、完走したらまた振り返りをあげたいと思います。